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目からウロコ

目からウロコ

ドイツ○○街道

バイエルン州、ミュンヘン...といえば、
『ロマンティック街道』が有名だろう。
北は中世の古城マリエンベルクを囲むように町が広がるヴュルツブルク
より南へ、中世の面影をほぼ完全に残すローテンブルク、
このルート最大の都市ミュンヘンを通過し、
さらにアルプス山麓に向けて南下すると、
クライマックスであり終点でもあるノイシュバンシュタイン城に辿り着く。

この城は日本語で言うと「新白鳥城」という意味になる。

白鳥のように気高く、荘厳で華麗な城であり、
日本人がこの城の観光に火を付けたのだった。
今では外国人だけでなく、ドイツ国民もこの壮麗な城を一目見ようと、
あちこちの都市からバスツアーを出しているらしい。

この城のスゴイところは、見れば分かるのだが
険しい山肌にデカデカと建てられているところがスゴイ。

元気な頃、初めの何度かは自分の足で城まで登ったが、
あとの数回は馬車で登った。いやはや運動不足ヨネ。
馬車は往復乗れるのだが、ほとんどの人は登りだけ利用する。
あとはゆっくりとアルプスふもとの平原を見下ろしながら
下っていくのが良いだろう。
しかしやはり運賃は往復でいうと、
登り(往路)の方がお高くなっているのさ。

城内には観光案内人はちゃんと駐在していて
「ドイツ語」「英語」で案内するコースがあるが、
夏の観光ピーク時期になると「日本語」のコースも設けられる。
それぞれテープでの案内となるが、
1チーム15-20人くらいで各部屋をグルグルと散策する。
入城料に含まれているので、
案内いらないから先に中に入れてくれという無理は通らない。
だからみんな大人しく並ぶ。
イタリア人も並ぶし、大阪人のモリユも並ぶ。

この城のふもとにはフュッセンという可愛らしい町がある。
ここでガーデニンググッズや甘いお菓子を買うのも楽しみのひとつだろう。

ワタシは特に○○街道というのを意識して旅行したことないのだが、
ドイツには他にもたくさんそういう観光ルートがある。

・ミュンヘン南郊には山景美しく風も爽やかな『アルペン街道』

・北岸をドイツ・南岸をスイスに接するボーデン湖より
 「黒い森(シュバルツバルト)」を北上、
 フランス国境近くの温泉町バーデン・バーデンまで続く
 『ファンタスティック街道』

・ドイツ東部のマンハイム、ハイデルベルクといった
 情緒ある中世都市をいくつも通り、
 ニュルンベルクからさらには西の国境を越えチェコに入り
 なんとプラハまで続く『古城街道』

・名実共にドイツの中心都市であるフランクフルトより真北に上がれば、
 ハーメルン、終点ブレーメンまで、
 グリム童話ゆかりの町々を抜けていく『メルヘン街道』

・同じくフランクフルトから北西へ、
 ワイマール、ライプツィヒなど由緒ある大学都市を通り、
 首都ベルリンを終点とする『ゲーテ街道』

・ドイツ最北ルートは、ハノーヴァーから港町ハンブルクまで
 南北にのびる『エリカ街道』

...ってなカンジ。縦横無尽に見どころたくさんである。
日本にも東海道五十三次という風光明美な観光コースがあり、
こうやって、「ここを通れ」という観光ルートが整備されているのは
世界でもドイツと日本くらいかもな。
もしかしたら日本人がドイツにこういうルートを勝手に作ったのかな。

ネルトリンゲン
これはネルトリンゲン。ロマンティック街道の都市のひとつ。
ミュンヘンから日帰り可能。
町の真ん中に聖ダニエルと呼ばれる高い塔があり、
そこに登ると城壁に囲まれた町を一望できる。
ところでバイエルンは町毎に屋根の色が厳しく制定されている。
決まった色の屋根にみんな統一されるというワケ。
ドイツの町作りの意気込みというか、伝統を守ろうとする
ひたむきさには頭が下がる思いだ。
この町はずーっと昔に隕石が落ちた跡(クレーター)の中に築かれており、
宇宙飛行士もクレーターの研究のためにこの町に来るらしい。
この塔にはじいさんが独りで住んでいた。
だいたい高い塔には管理人が住んでいる。じいさんもタイヘンだな。

ローテンブルク
ローテンブルク。ロマンティック街道の目玉の都市。
ここも日本人の手によって開発された観光地と言えるだろう。
鉄道ではとっても行きにくいところで、
どこか近くの大都市から日帰りという観光ができない。
町の中には中世犯罪博物館というのがあり、
様々な拷問道具を見る事ができる。
町並みはそれはそれは可愛らしいのに。
ところでこの町も城壁に囲まれており、中世の香りいっぱいである。
城壁の外側の宿が割安なのでオススメだな。
ワタシは駅と町の入り口のちょうど中間あたりに宿をとった。
オジサンが寒い中半袖で車を洗ってるのが目に止まったのだが、
その家の入り口あたりに小さく『zimmer frei』(空き部屋ありまっせ)
という看板を見た。
オジサンがそこにいなけりゃ、しかも季節外れな恰好をしてなけりゃ
永遠に縁がなかった宿だろう。

ノイシュバンシュタイン城
冬のノイシュバンシュタイン城。夏より冬の方が好きだな。
空いてるってのもあるけど、
雪を頂いている山肌にそびえたつ姿の方が、
この城自体の雰囲気にも、
そしてこの城の主である最後のバイエルン国王ルートヴィッヒ2世の持つ
ミステリアスな一面にもピッタリくるな。

フュッセン
そのふもとの町フュッセン。
日本語でいうと『足』という意味に相当する町の名前である。変なの。
町のマークもやはり足で、ちょっとグロテスク。
でも町は非常に可愛らしく、もともとスキーの町なので、
小さい割には宿や気のきいたレストランもけっこうある。
ここで「クヌーデル」という料理を食った。
バイエルン独特の料理で、何かと言うと、お団子。
でかい「すいとん」といった感じで、見事に丸い。
大きさは様々だが、
だいたい野球ボール~ソフトボールくらいの大きさがほとんどで、
野菜やミンチ肉が混ぜこまれているものや、
スープにつかってるものもあればソースがかかってるものもある。
フランス人もビックリな料理である。吹き出すに違いない。

レーゲンスブルク
レーゲンスブルク。
ミュンヘンより北西へ、電車だと1時間半くらいだろうか。
よく日帰りで遊びにいった。
中心地はたくさんの細い石畳の道が走り、
どこを歩いても情緒ある楽しい町だった。
有名なのは、ドイツで一番古いとされている
ドナウ川にかかる石橋「シュタインブリュッケ」で、
この橋のたもとにはやはり有名なウィンナ-屋さんがある。
レーゲンスブルク独特のヴュルスト(ソーセージ)を焼いている。
ここのヴュルストとビールで軽く腹ごしらえすることができる。
いつも混んでいるので常に焼き立てが食えるのも魅力的。
ゆっくりしたい時は市庁舎の地下にあるレストランへ行った。
けっこう安くてしかも落ち着いてランチを頂ける。
皮をむいて食べる白ソーセージとビールでお腹いっぱい。

バルハラ神殿
レーゲンスブルクからバスで20分くらいで、
ここヴァルハラ神殿まで来れる。
ギリシャ風の神殿で、山の上の方に建てているため、
ここからドナウ川を見下ろした景色はかなりの眺望である。
遠く霞んだところから緑の平坦な土地を、
ドナウ川がゆっくりと弧を描きながらゆるやかに流れてくる様は、
ちょっと筆舌に尽しがたい。何だか偉くなった気分。
実際この神殿にはドイツの偉い人が祭られているらしい。

ローレライ
○○街道以外にも、川に沿って旅行するという方法もある。
有名なのが「ライン川下り」。これはその途中にある「ローレライ」。
歌の中にある船を沈める絶世の美女の正体は、
険しく切り立った崖のことなのさ。
日本にはこういう川の景色はたくさんあるけど、
距離も長く、広い川が多いヨーロッパでは、
こういう切り立った狭いところを通るのは怖かったのかな。
保津峡下りなんて言ったら、
ローレライ300人くらいの恐ろしさといったところか。(ある意味怖い)

ケルン
ライン川を上がっていくと、旧西ドイツの首都ボンを通り、
その先に大聖堂で有名なケルンがある。
そこで見かけた大道芸の写真。
チョークで地面にベートーベンの絵を描いていた。
休みの日の大聖堂前は、大道芸人がたくさん集まって
それぞれ勝手にストリートパフォーマンスを繰り広げている。

ツェレ
ドイツ北部の町ツェレ。
木骨組みの可愛いおとぎ話のような家が並んでいる。
ちょうど教会で結婚式をやっていた。
ハートを描いた大きな布の両端を持った友達が待ち構えていた。
何をするのかと思うと、
新郎新婦にリボンやら花で飾り立てたハサミを手渡し、
そのハートを切り抜かせて、くぐり抜けさせた。
人生もこのように二人で力を合わせて切り開いてゆけという意味か。
なかなか楽しい演出だった。
モリユもリュック背負ったまま二人に祝福の花吹雪きをまくのを手伝った。
妙な旅行者だ。(リュックおろせよ)


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